若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
そんな怪しさ満点の話に乗るつもりはない。
奨学金につられてここまで来たけれど、そう甘くはなかったということだろう。
――現実厳しいなぁ。
ガックリと肩を落とし、手元に視線を落とす。
でも、せっかくここまで来たのだ。
せめてアイスコーヒーは飲んで帰ろう。そう思いながら気を取り直し、テーブルの隅にあるグラスに手を伸ばした時。
「お相手は、この方です」
羽原弁護士は、向葵の前に素早く写真を差し出した。
アイスコーヒーのグラスを手にストローを口につけ、ゴクゴクと一気に飲む。
さあ、早いとこ帰ろうと思いながら、チラリと写真を見た向葵は、目を疑った。
――え?
そこにはスーツ姿の、モデルか俳優のような美しい若い男性が写っている。
「月井グループの御曹司、月井夕翔さまです。
ルーナ財団とは旧財閥系月井一族が学生のために設立した財団なのはご存じですね? この方が結婚のお相手です」
「ブッ!」
思わず吹き出して、ストローから口を離した。
ほぼ空なので、被害はないが。
奨学金につられてここまで来たけれど、そう甘くはなかったということだろう。
――現実厳しいなぁ。
ガックリと肩を落とし、手元に視線を落とす。
でも、せっかくここまで来たのだ。
せめてアイスコーヒーは飲んで帰ろう。そう思いながら気を取り直し、テーブルの隅にあるグラスに手を伸ばした時。
「お相手は、この方です」
羽原弁護士は、向葵の前に素早く写真を差し出した。
アイスコーヒーのグラスを手にストローを口につけ、ゴクゴクと一気に飲む。
さあ、早いとこ帰ろうと思いながら、チラリと写真を見た向葵は、目を疑った。
――え?
そこにはスーツ姿の、モデルか俳優のような美しい若い男性が写っている。
「月井グループの御曹司、月井夕翔さまです。
ルーナ財団とは旧財閥系月井一族が学生のために設立した財団なのはご存じですね? この方が結婚のお相手です」
「ブッ!」
思わず吹き出して、ストローから口を離した。
ほぼ空なので、被害はないが。