若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
思い出しただけでも心臓はバクバクするし頬がポッと熱くなる。会議室ではさぞかし赤くなっていたことだろう。
茹でダコになっている自分を想像し、ギュウっと枕に顔を押し付けた。
「恥ずかしいぃ」
ジタバタと足をばたつかせてため息をつく。
「――ハァ」
少なくとも去年から向葵を知っていたという。
『矢神から幾度となく君の話を聞いて、君に興味をもったんだよ。君は知らないだろうが、車の中から君を見かけたこともある』
彼はそう言った。
知らないところで自分の噂話をされているのはあまり気分のいいものではないが、それが誉め言葉となると別だ。
彼は向葵を知っていて、そのうえで結婚を申し込んできた。
――かりそめとはいえ、妻として私を選んでくれた。
夢のような本当の話。
いいのかなぁ……と言っても、もう遅いけど。
茹でダコになっている自分を想像し、ギュウっと枕に顔を押し付けた。
「恥ずかしいぃ」
ジタバタと足をばたつかせてため息をつく。
「――ハァ」
少なくとも去年から向葵を知っていたという。
『矢神から幾度となく君の話を聞いて、君に興味をもったんだよ。君は知らないだろうが、車の中から君を見かけたこともある』
彼はそう言った。
知らないところで自分の噂話をされているのはあまり気分のいいものではないが、それが誉め言葉となると別だ。
彼は向葵を知っていて、そのうえで結婚を申し込んできた。
――かりそめとはいえ、妻として私を選んでくれた。
夢のような本当の話。
いいのかなぁ……と言っても、もう遅いけど。