若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)
***
さて、向葵が帰った後の、ソニオ弁護士事務所では。
「本当に、これで良かったのですよね?」
羽原佳織が、不安そうに身を乗り出して矢神に聞いていた。
強引なまでに花森向葵に話を進めたのは、他ならぬ自分である。なのにいざ事が上手くいくと、本当にこれで良かったのだろうかという不安が心に疼いて仕方がなかった。
「今更ですけど、ちょっと心配で」
唇を噛んで自責の念にかられている佳織をチラリと見た矢神は、空になったグラスをテーブルの上に置いて静かに答えた。
「少なくとも私には、何の後悔もありませんよ。繰り返し月井とは話をして出した結論ですから」
それはそうだろうと、佳織は思う。
話を持ってくる前に、彼らは時間をかけて十分に検討したに違いないのだから。
心配なのは彼らの判断ではなく、彼女、向葵の方である。
さて、向葵が帰った後の、ソニオ弁護士事務所では。
「本当に、これで良かったのですよね?」
羽原佳織が、不安そうに身を乗り出して矢神に聞いていた。
強引なまでに花森向葵に話を進めたのは、他ならぬ自分である。なのにいざ事が上手くいくと、本当にこれで良かったのだろうかという不安が心に疼いて仕方がなかった。
「今更ですけど、ちょっと心配で」
唇を噛んで自責の念にかられている佳織をチラリと見た矢神は、空になったグラスをテーブルの上に置いて静かに答えた。
「少なくとも私には、何の後悔もありませんよ。繰り返し月井とは話をして出した結論ですから」
それはそうだろうと、佳織は思う。
話を持ってくる前に、彼らは時間をかけて十分に検討したに違いないのだから。
心配なのは彼らの判断ではなく、彼女、向葵の方である。