若奥さまと、秘密のダーリン +ep2(7/26)

「月井さまが、この方と直ちに結婚できる方法を、私が考える。と、いうことでしょうか?」

「そういうこと」

佳織はあらためて資料に目を落とす。

資料に記載されているのは、
ひとりの女性の何枚かの写真と彼女に関する生い立ちなどの情報である。

女性は、女子大に通う大学二年生。

写真で見る限り特別感はない。どこにでもいる普通の女の子である。

最初に渡された時から幾度となく見ているが、何度見たところでその印象は変わらなかった。


――どうして、この子と?

初めて写真を見た時、写っているのは少年かと佳織は思った。

よくよく見れば当然違うのはわかるが、女性の目で見ても一瞬見紛うほど彼女はボーイッシュだった。

華奢でカモシカのような風貌から受ける印象は、
女の子というより、笑顔が可愛い少年である。
< 6 / 314 >

この作品をシェア

pagetop