愛さずにはいられない
「好きだっただけだよ。授業が。」
「仁は頭がよかったから。それに比べて私たちは・・・」
奈央が自分の言葉にはっとする。 

私たちは・・・

仁がすぐに奈央に微笑みながら
「奈央と絃は頭悪かったからな。」とフォローする。

奈央は力なく微笑み黙ってしまった。

仁が奈央の背中に手を回す。
「奈央。」
「ん?」
「絃の話をしていいんだ。いいんだよ。」
「・・・うん。」
仁が奈央に優しく穏やかな表情をむける。
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