愛さずにはいられない

過去からの使者

「なかなか顔を見せてくれないんだから。」
そんな言葉で奈央たちを迎えたのは仁の両親。
奈央と仁はイギリスのお土産を私に訪ねていた。
「ほら、これお土産。」
仁がぶっきらぼうに玄関で母にお土産を渡す。
「あら。いいのに～。ほらあがって。」
「これから奈央の実家にもよるから上がらないよ。」
仁がそう言って奈央の肩に手を置き玄関から出ようとする。
「少しくらいなら・・・」
仁の母の寂しそうな表情に奈央がそういうと仁がすかさず奈央を見た。
「少しだけが夜までかかるからだめ。イギリスから戻ったばかりで俺たち本当に疲れてんだよ。明日から仕事だし。」
その言葉に少し寂しそうな仁の母。
「こんどゆっくりお邪魔させてください。」
奈央が微笑むと
「そうね。仁はいいから、奈央ちゃんだけでも遊びに来て。」
と仁の母は奈央に微笑みかけた。
「じゃあまたな。風邪ひかないようにな。」
そう言って仁と奈央は仁の実家を出た。