愛さずにはいられない
「すばらしかったです。」
その日の撮影を終えて仁と大悟の対談中、奈央は莉子とお互いの片付けをしながら話をしていた。
「そんなことないわよ。私たちは一緒に組んできた時間が長いから。でも、仁君と奈央さんも、新婚とは思えない呼吸だったわよ?」
「お互いに合わせ合うことのできる大悟さんと莉子さんとは私たちは違いますよ。仁が私に合わせてくれている状態です。私たちは。」
「そんなことない。仁君が言葉にしなくてもフォローできてるし、アレンジにもついていってたじゃない。私たちはこれが本職だけど、奈央さんは編集者でありながらここまでできるのはやっぱりすごい。本職だったら負けちゃう、私。」
そう言って微笑む莉子の愛らしさに奈央は笑顔がうつるようだった。
「ありがとうございます。」
「それにね。実は私たちって一回離れてるのよ。」
「?」
「離婚して別々に過ごしてた時間があるの。」
「そうなんですか?」
「うん。大悟と私には2人の子供がいるんだけど、その前にも生まれることができなかった命があってね。あの頃の私たちはまだまだ弱くて、結局悲しみを乗り越えられないまま別れちゃったの。」
奈央はふと絃の命を思い出していた。
その日の撮影を終えて仁と大悟の対談中、奈央は莉子とお互いの片付けをしながら話をしていた。
「そんなことないわよ。私たちは一緒に組んできた時間が長いから。でも、仁君と奈央さんも、新婚とは思えない呼吸だったわよ?」
「お互いに合わせ合うことのできる大悟さんと莉子さんとは私たちは違いますよ。仁が私に合わせてくれている状態です。私たちは。」
「そんなことない。仁君が言葉にしなくてもフォローできてるし、アレンジにもついていってたじゃない。私たちはこれが本職だけど、奈央さんは編集者でありながらここまでできるのはやっぱりすごい。本職だったら負けちゃう、私。」
そう言って微笑む莉子の愛らしさに奈央は笑顔がうつるようだった。
「ありがとうございます。」
「それにね。実は私たちって一回離れてるのよ。」
「?」
「離婚して別々に過ごしてた時間があるの。」
「そうなんですか?」
「うん。大悟と私には2人の子供がいるんだけど、その前にも生まれることができなかった命があってね。あの頃の私たちはまだまだ弱くて、結局悲しみを乗り越えられないまま別れちゃったの。」
奈央はふと絃の命を思い出していた。