愛さずにはいられない
奈央の声
「起きられるか？」
仁の言葉に奈央は何度も瞬きを繰り返す。
「うーん」
奈央はつわりの一種の眠気に逆らえずに気づくと眠ってしまう日を繰り返していた。
以前よりも食べられるものは断然増えている。気持ち悪いのが治まると常に眠くなってしまう症状に悩まされていた。

スタジオでのリハビリは妊娠4カ月になったいまでも続けている。
つわりがひどくて食事をとれていないときはさすがにスタジオへ行って無理をするのはやめていた。

今日もリハビリの日だ。
「やめとく？」
仁が奈央を起こすのは今日はこれで3度目。
「うんん。起こして・・・」
奈央が両手を伸ばすと仁は奈央の背中を支えながらその体を起こした。
「シャワー浴びなきゃ・・・夕べ浴びてない・・・」
まだ眠そうな奈央。
「一緒に浴びよう。ほら。」
と仁は奈央をベッドから立たせた。
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