愛さずにはいられない

「おめでとうございます。男の子ですよ。」
理恵が生まれたばかりの赤ちゃんを見せてくれた。仁は奈央の肩を抱きながら一緒に赤ちゃんを見る。
「お父さん、抱っこしてあげてくださいね。」
そう言って理恵は赤ちゃんをタオルでくるみすぐに仁の腕に抱かせてくれた。


こわごわと仁が大きな体を小さくして生まれたばかりの我が子を抱く。
「うわぁ・・・ちっさいな・・・」
仁の瞳が真っ赤になる。


「こんなに小さいのに…あったかい・・・・ずっしり感じる・・・」
「・・・」
奈央は涙ですでに顔がぐちゃぐちゃだ。
「生まれてくれてありがとう・・・。頑張ったな。よく頑張ったな。」
そういうと仁の瞳から涙が流れた。