愛さずにはいられない
「蓮水さんは?桐ケ谷さんのことどう思ってるの?」
「どうとは?」
「蓮水さんもかわいいからなぁ。油断できませんね。」
「私は対象外ですよきっと。」
奈央はそう言って微笑みながらモデルのメイクを完成させた。

「おつかれ」
撮影が終わって奈央が片づけをしていると仁がミルクティをもって奈央のもとへ来た。
「お疲れさまでした。」
「もう、敬語じゃなくていいだろ。俺たちしか残ってないし。」
「そっか。」
奈央はいつも最後までスタジオの片づけをして、カギを閉めて帰宅する。
仁が一緒に撮影をする日はだいたい片づけを仁も手伝ってくれて、奈央を一人暮らししているアパートへ送ってくれた。
「これ、入れたらいいか?」
「うん。ありがと。」
仁も片付けに手馴れている。
二人は次々に片づけを済ませていった。
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