愛さずにはいられない
「ちゃんと俺の口座から使ってるか?」
「うん。」
「うそだな。家族カード作るから、それで払えよ?」
「・・・」
仁の言葉に奈央が照れる。
「家族だって・・・」
奈央が照れると仁もうつる。
「俺も照れんだろ?」
二人で何となくくすぐったい時間が流れた。

「あ、仁にお願いしたいことがあったんだ。」
「ん?」
奈央はそういうとキッチンの横にある収納部屋から大きな段ボールを引きずってだした。
すぐに仁が気づき奈央からその段ボールを受け取る。
奈央が引きずっていた段ボールも仁は軽々と持ち上げた。
「なんだ?これ。」
「こういうの得意?」
仁が段ボールを見るとキッチン用品を置ける組み立て式の棚だった。
< 92 / 297 >

この作品をシェア

pagetop