愛さずにはいられない

「多分できるだろ。」
「じゃあ、今度休みの時にお願い。それまで、邪魔じゃないところに置きたいんだけど移動できなくて。」
「了解。どこに置いたらいい？」
「ひとまず使ってないあの部屋は？」
「オッケー」
仁は軽々と段ボールをもって奈央が言う部屋にもって行った。
奈央が先に歩き部屋のドアを開ける。
「ここでいいか？」
「うん。ありがとう。」
「何なりと。ほかは？」
「大丈夫。」
結婚して一緒に住んでから、仁のことを今まで以上に知ることが多い。
思ったよりもたくさんご飯を食べることも。力強いこと。意外と家ではめんどくさがりで、時々髪を乾かさずに眠ろうとすることも。
そんなことを考えていると「えっ！？」仁は奈央の体をお姫様抱っこした。
「今、意外と力あるとか思ってたんだろ？俺をなんだと思ってんだよ。奈央くらいは余裕だぞ？」
そう言って仁は笑いながら歩き始める。
「おろしてよ！」