オレ様のシモベ


クラスの女子たちが零ちゃんの腕にまとわりついて、

「わたしがお昼休みに膝枕をしてあげるのになあ~」

「先輩、お昼のお弁当ならわたしが作ってあげるよ~」

ちらっ、

不敵に笑ってわたしの肩にわざとぶつかってくる。

そんな零ちゃんたちについて行けなくて立ち止まると、零ちゃんは「ふみ、早く来いよ」と、気づいて不機嫌に振り向いた。

グズッって言われても、

意地悪されてもどんなに冷たくされてもわたしは零ちゃんが好き。

「顔がちょっと可愛いからって何よ、グズのくせに」

「隣の家の幼なじみだからっていい気にならないでよね」

みんなの言うことわかってる。

零ちゃんはわたしみたいなグズは嫌いだってことくらい。

悲しくなって少し離れて零ちゃんの後ろをついて歩いてく。

お昼休みはいつも視聴覚室でお弁当を食べ、その後に零ちゃんはお昼寝をするのが日課だった。

「人間何かひとつは取り柄があるっていうが、料理だけはホント感心するぜ。おまえの食うと他のは食べらんねえな」

零ちゃんが唯一誉めてくれるのはわたしの作る料理。だから頑張って覚えたの。

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