オレ様のシモベ



零ちゃんの香りがしてきて頭がくらくらする。


「なにボーッとしてんだ?学校行くぞ」


昔から変わらない。

わたしがドキドキしてるなんて零ちゃんは知らない。


「一条、おはよー!」

「おう」

「ねえ、なんで昨日の夜に携帯出てくれなかったの?折り返し待ってたのに」

「面倒くせえ」


早紀子さんがわたしを押し退けて零ちゃんの袖を引いて甘えるように腕を絡め、わたしをち邪魔そうに見た。


「まともな会話も出来ないくせに、目障りね」


ズキッ、胸が痛くなった。

小声で呟いたその一言はみんなにイジメられた過去へと引き戻す。


「わ、…たし、」

「いい加減に離れなさいよ、一条に嫌われてるのがわからないの?」


耳に入り込んだ凶器がわたしを刺した。


「ねえ一条、わたしが明日からお弁当作ってきていいでしょ?」

「ふみの弁当あるからいらねえ」

「わたしの方が絶対美味しいってば」

わたしの作ったお弁当の包みを見る。


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