BITTER LOVE




「え…ちょっとどこ行くんですか?」




「いいから来て」




歩幅も大きくて歩くスピードも早い先輩に駆け足で着いて行く




三年生の校舎に辿りついた




「ここって…」




話す間もなく見知らぬ教室に入ると
先輩と私に全視線が向く




その中にさっきの派手な女の子達も居て…




こっちを怖い顔で睨んでる




「ちょっと…先輩…」




「この子俺の彼女だから
手だしたら女でも容赦しない」




彼女…!?




教室中が騒ぎ出す…




「廉…冗談でしょ?」




女の子達のそんな声が聞こえると




先輩は私のほうを振り返って




「愛してる」




え?




先輩の手が私の頭を支えて




顔が近づいてくる




少しでも動いたら唇が当たってしまいそう…




「「キャーー」」




悲鳴が響きわたった




目の前にはニコニコ笑うドアップの先輩…




< 34 / 92 >

この作品をシェア

pagetop