BITTER LOVE
涙
キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
一日の終わりを告げるチャイム
この音だけはこころなしか低く聞こえる
さっき先生に言われた通り教室を出て保健室に向かった
ガラガラ
「座れ」
そう言われて先生の横の椅子に座る
「気分は?」
「大丈夫です…」
「いつから?」
「え?」
「昨日今日できた傷じゃないだろ」
やっぱりさっき…見られてたんだ
「えっと…」
先生の真剣な顔を見たら逃げられないと思った
「三年前です…」
「誰から受けた傷?」
「…兄…です…」
私がそう言うと沈黙が流れる