BITTER LOVE




「うわ…!すいません」




慌てて先輩から手を離す




「えーもっと触ってよ」




「な…
もう5分経ってます」




「はいはーい」




そしてしぶしぶどいてくれた




「もうそろそろお昼終わるので教室帰ります…メロンパンご馳走様でした」




そう言って立ち上がるとガシッと手を掴まれて




「明日も一緒にお昼食べよ?」




まっすぐ向けられる悪意ない瞳に言葉が詰まる




「だめ?」




そうやって頼まれたら
だめなんて言えないの分かってるくせに




「ありがと」




「まだいいって言ってませんけど…」




「帰りも迎え行くね?」




「人の話聞いてますか…」




ははっと笑う先輩の笑顔はキラキラしてて…学校中の女の子が夢中になる理由も納得できる気がした




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