BITTER LOVE




お昼休みが終わって、五限は間近に迫った体育祭の種目決め




体育祭って苦手…




傷のせいで上手く動けなくて迷惑かけちゃうし




「一緒にバスケにしよ〜」




すぐ前の席から奈緒がそう言ってくる




一年の頃から出席番号が近いおかげで席も近くてすごく嬉しい




「うん!」




運動大好きな奈緒にいつも助けられてて
種目も同じのにしてる




「そういえば城ノ内先輩とどうだった?」




なんてニヤニヤしながら聞いてくる奈緒




「べつに何もないよー…
それにひどいよ…あっさりどうぞって…」




「ごめんごめん〜
でも男っ気ゼロの杏はちょっとくらい免疫つけた方がいいかなって?」




「なにそれ…」




確かに男っ気ないけど




べつに興味もないのに…




「ほんとに何もなかったの〜?」




「もう!何もないってば!」




「はは」




「帰りも迎えに来るって言ってるし明日もお昼一緒に食べようって…どうしよう」




「うわ〜いいじゃん!私も智と居れるし」




奈緒が嬉しそうだからこれ以上何か言う気にもならないけど




ほんとにいいのかな…




「杏ちゃんー!」




言葉通り放課後やって来た城ノ内先輩




「また明日ね〜」




「うん…」




ニヤニヤ顔の奈緒とバイバイして先輩の所へ向かう




「お昼ぶり〜」




先輩は相変わらず楽しそう





それに女の子達の痛い視線も変わらない…



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