BITTER LOVE
どんなに贅沢な暮らしをしていても何かが欠けていた
今のお母さんは私のことをすごく可愛がってくれるし、四人での食事風景は傍からみればまるで絵に描いた理想の家族
でも本当は偽物で
みんな無理矢理笑ってる
初めて兄に呼び出されたのは兄の誕生日の日
夕食を終えて部屋に行くとお腹を思い切り殴られた。
その後すぐに謝ってきたけど、数日後にはもっと酷くなって謝罪の言葉は嘲笑へと変わっていった
いつの間にか学校から帰ると兄が私の部屋で待っているようになって
今日だって…部屋のドアを閉めた瞬間から始まる
声を出さないように必死で唇を噛み締めた
まるでサンドバッグみたいに容赦なく拳が身体に当たって
息もできないくらい苦しいのに
涙も表情も出てこない
「死ね、死ね、死ね…」
赤の他人の癖にこの家に居座る私を心の底から憎んで見えた