BITTER LOVE




「なんで泣いてんの?」




気づくと起き上がっていた先輩の両手が私の頬に添えられていた




「あれ…私なんで…」




そのまま自分のほうに引き寄せて頭を撫でてくれる




止めたいのに目の奥から涙が溢れてくる




苦しくて悲しくて…




この気持ちが何なのかも分からない




「杏ちゃんさ…




椿様のこと好き?」




でもやっと気づいた




「杏ちゃんの目線の先、いつも同じ人居るから」




ぼんやりと浮かんで消えて




気づくと頭の中が埋めつくされてる




姿を見つけただけで嬉しくなって




目が離せなくなって




いちいち舞い上がったり落ち込んだり




先生と居ると気持ちが何度も何度も変化して




いつの間にかこんなにも




大好きになってたんだ…



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