BITTER LOVE





"それ" の正体を知りたくて、私より早く家を出て行った先生を追いかけるように学校に着いてすぐ保健室に向かった。




「なんだ、授業始まるだろ早く教室行け」




いつにも増して冷たく聞こえる…




「昨日言ってた それ って… 何のことですか?」




「首」




首…?




そう言われて保健室にあった鏡で首元を見てみると、小さく赤い痣みたいなのが浮いていた…




「なにこれ…」




「酒の件もそうだし、しっかりしろよ」




こっちを見ることもなく、まるで独り言のように冷たく低い声が静かな保健室に響いた




そんな言葉が心に重く響いて思わず涙がこぼれそうになる




そんな私を避けるように先生はドアを開けて保健室を出て行った



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