BITTER LOVE




先に先輩の家に着いて




先輩は車から降りる時に




「杏ちゃん、また明日ね」




いつもみたいに笑顔を向けてくれる




「はい!!」




先生と2人きりの車内でまた沈黙が流れて




それを破るように




「ありがとうございました…」




そう呟いた




「お礼なら彼氏に言え」




彼氏…?




「彼氏なんて居ないです…!」




「付き合ってないのに抱き合ったり、体に傷付けさせたりするんだな」




「え…」




「勝手にお前のこと真面目な奴って勘違いしてた」




まただ…
先生の言葉がチクチク胸に刺さる




誤解されても仕方ないことしてるのかな…




明日ちゃんと先輩に自分の気持ち言わなきゃ




先生にこれ以上嫌われたくない…




先生の言葉に何も答えられなくて、そのままろくに会話をしないまま夕食を終えて寝室の布団に潜った



< 90 / 92 >

この作品をシェア

pagetop