クローバー
駆け落ち生活→妬み→誘拐→地獄
「ただいま。」

茉莉は帰って来る。

「パパは?」

茉莉は聞く。
母は、

「荷物取りに行ってる。これから一緒に暮らすんだよ。」
「本当に!?」

茉莉は嬉しそう。

「数日中に、今、住んでるアパート引き払ってくるって。パパは茉莉と暮らすの楽しみにしてるわ。」
「茉莉も楽しみ。」
「…。」

茉衣には迷い。それは遥紀の親。二人を別れさせた人。茉衣は、遥紀の家族を気遣っている。
7時頃、遥紀が帰って来る。

「パパ。」

茉莉は遥紀に抱き着く。

「茉莉、ただいま。」

甘える茉莉、抱く遥紀。
食事をとり、ソファーに座り、だんらん。
遥紀と茉衣は寄り添って座っている。遥紀のひざの上には茉莉がいる。

「茉莉、いいなぁ。ママも甘えたい。でも、茉莉なら許しちゃう。」

茉莉と茉衣はキス。


「パパ、一緒にお風呂にはいろ?」

茉莉は遥紀を誘う。
遥紀は嬉しい。

「い…いいの?」
「うん。パパと入りたい。」

にっこり笑う。


お風呂。
初めての喜び。
茉莉は、小さくても、少しずつ成長している。
茉莉は遥紀の背中を流す。

「ありがとう、茉莉。」


遥紀に添い寝してもらい、眠る茉莉。
茉莉がすやすやと眠ると、茉衣と二人きり。

「茉衣。愛してる。」

囁く。


寝室。遥紀は茉衣を押し倒す。
キス。
愛撫、
舐める。
茉衣の身体は濡れてくる。

二人は激しく、抱き合う。

「あっ…あぁ!?」

茉衣の喘ぎ声。
遥紀は、

「忘れた時なんてなかった。」

「私もよ、遥紀。」

ギシギシ!

ベッドが軋む。

二人は変わらない情熱に身を任せる。


次の日、茉莉が起きると、横には遥紀が。(遥紀は、早めに起きると、茉莉が眠っている部屋へ)

「おはよう、茉莉。」


夜、その日も茉衣と遥紀は抱き合っていた。

「茉衣、これをあげる。」

遥紀はペンダントを出す。
四角いシルバーのプレートに、”M”いう文字。

「お揃いだ。”M”は茉莉の”M”だ。二人の宝物だ。」

「はい。」


ずっとペンダントを付けている遥紀。

「彼女か?」

< 11 / 197 >

この作品をシェア

pagetop