クローバー
親が来ている。茉衣達は真治の両親に挨する。
茉衣は母に、

「沙衣は?」

と聞く。

「まだみたい。」
「そう…。」

真治は、心配から泣いている郁を連れて出てくる。

「ママ大丈夫なの?ママ痛そうだよ、ねぇ。パパ。」

茉衣は、

「郁くんおいで。」

郁は、

「まぁちゃんのママぁ。ママが…。」
「わかってる。」

茉衣は郁を撫でて、

「お兄ちゃんがしっかりしないとどうするの?」

郁は泣いている。
茉莉は郁に、

「郁、おいで。」

呼ぶ。

「まあちゃん。」

茉莉は郁を抱いて、

「お姉ちゃんがいるから大丈夫。泣かないの、ね?お姉ちゃんからのお願い、聞ける?」
「…うん。」
「不安だったらお姉ちゃんがいくらでも抱いてあげる。それで強くなるなら、いくらでもそばにいるから。」
「本当?」
「うん。約束だよ。」
「お姉ちゃんのそばにいる。」

茉衣は真治に、

「郁くんは茉莉が見てるから真治君は沙衣のそばにいてあげて?郁くんは疲れてるみたいだしうちで休ませるわ。」
「ありがとう、お義姉さん。郁を頼みます。」
「早く、沙衣の所へ行ってあげて?」
「はい。」


真治は中へ。
茉衣は、

「郁くん、休もうか?」
「…うん。」
「夜だし。」

茉衣は両親にあとを頼む。
残された双方の両親。真治の両親は、

「しっかりしたお姉さんですね。娘さんも郁の為に。」
「…茉衣は苦労を見せない娘です、娘と二人でいたのは大変だったでしょうに。でも、いつも幸せと言うんです。お父さんがいなかった頃、娘はあんなに最高な恋ができたからそれでいいの。私は世界で一番大好きな人の遺伝子を継ぐ娘を一人前に育てることが、生き甲斐。だから側にいて癒されるし、守りたいと思う。こんなに誇れる自慢の娘。そして最高の恋。彼を愛しいキモチは一生変わらない。と言うの。孫もそれに応えて心優しく可憐な娘に育った 。父親に会っても、反発させないようにしたみたいで、知らなかったとしても捨てて後悔していた父親に優しく言葉掛けたのはあの子の偉いところ。絆は強い。お互い別れても愛し合ってたのですから。」


車の中、郁は茉莉に甘えている。茉莉も受け入れている。

「今日、お姉ちゃんと寝よ
< 110 / 197 >

この作品をシェア

pagetop