クローバー
うね。」
「うん。」


家。

「茉莉はオレより郁か…。」

ショックを受ける遥紀。

「私じゃ不満?」

茉衣は言うと、

「満足してます。」

と言う遥紀。

「茉莉はお姉さんらしくしっかりしてる。郁への気持ちもお姉さん。ほらほら元気出して、パパ。ハルカでもだっこして。」

遥紀はハルカを抱いて、

「ハルカ…茉莉は反抗期なのか?」


茉莉は郁と一緒にお風呂に入る。郁は茉莉のひざの上にちょこんと座っている。

「ママ大丈夫かなぁ…?」

郁は言うと、

「大丈夫。ママはね、郁の弟か妹を産む為に苦しんでるんだよ。ママもハルカの時、苦しんでた。痛みと引き換えに生まれる?」
「何で痛いのに産むの?」
「単純に会いたいからじゃないかな?難しい質問だね。お仕置きしちゃうぞ。」
「え?」

茉莉は郁のほっぺにキスする。

「お仕置き。」


茉莉と郁は眠る。不安な郁を温めるように優し抱いて眠る茉莉。茉衣と遥紀は覗く。

「こう見ると姉と弟ね。ハルカが生まれて、茉莉に母性愛が芽生えたのね。」
「…。」
「パパ、素直になって。」

キス。

「茉莉が道を外れようとしたら私が責任もって躾る。鬼になる覚悟はあるわ。」「…。」


次の日、茉莉と郁は起きてくる。

「おはよう、パパ、ママ。」

茉衣は、

「おはよう。郁くん、眠れた?」
「うん。まぁちゃんが優しかったの。」
「ふふふ。」

茉衣は郁の髪を撫でて、

「いい子ね。」
「ハルカは?」
「ハルカは、眠っているよ。もっと休ませた方がいいかな。早く起きると機嫌悪いくて怒ってるようなカオをするの。」「そうなの?」

そこへ電話が。茉衣は出る。

「もしもし、三田です。」
「もしもし、お義姉さん。真治です。」

茉衣は、

「沙衣は?」
「今朝方無事に産まれました。」
「おめでとう。どっちなの?」
「2950㌘女の子です。」
「本当!?すごい!」
「あの…郁に代われませんか?」
「そうね、代わるわ。」

茉衣は郁を連れて来る。

「パパからだよ。」
「パパ?」

郁は出る。

「パパ…?」
「郁、かわいい妹が産まれたよ。郁もお兄さんだ。」

< 111 / 197 >

この作品をシェア

pagetop