クローバー
…。)

いろいろ聞いていると、遥紀は胸がはち切れんばかりの思い。冷静にしてるつもりでも動揺してる。そして向かう事に。

「…あぁ。」

遥紀は涙。崩れ落ちる。スタッフはびっくり。

「大丈夫?」

声を掛ける。(結婚式に出た大学の同級生である。)
遥紀は、

「茉衣…茉衣…。」

呟いている。友人は優しく、

「思い出したんだ。ここはそれほどに…。」

すると、

「さんちゃん久しぶり。」

恩師だ。生徒は、

「末松先生?」

恩師は遥紀に近付き、

「ここは彼にとって刺激が強かったみたいだね。」
「先生…。」
「結婚おめでとう。かわいいお嫁さんもらって羨ましい限りだ。」
「…この噂流したの先生ですか?」
「半分はね。」

生徒は恩師と遥紀が話してるのに不思議がる。

「…。」
「あまりにもきれいだったなカップルだったから。成績優秀で優しい彼がいて、それを支える健気な彼女がいた。共犯者、彼らの担任してたあと二人先生ですよ。」
「…それは、きれい事では済まされない結末へと…。」
「…二人が別れた事を知った時、私達はとても心を痛めた。ごく最近、石出君と米野君からあの二人のその後を聞いた時、何てことを広めたのだろうと思った。妻と話して、本当に悪いと思った。」
「奥さん?」
「彼の2年の時の担任。卒業して3年くらい経っただろうか。私が31で、妻が29の誕生日に入籍した…というか、結婚は決めていたものの、お酒の席ではめを外して…ベロンベロンになってしまって、看病してくるれた妻を酔いのまま任せたら子供ができてしまったのだよ。妻は2月に他の学校へ転勤することを進めていた。2月末くらい、体調の優れなかった妻に声をかけても上の空で。心配してた。数日後、お腹に子供がいることを告白された。教師たるものと怒られた。次第に大きくなる妻のお腹。妻の誕生日にはもう6か月近くにまで成長していた。妻は今、5人の子持ちだ。」
「…。」
「彼らに言いたかった。結婚して、子供ができた時、親子でここに来なさいと。…あの後に悲劇的な別れをしたと思うと苦しい。」

すると。

「は〜るき!」

乳母車を引いた茉衣が真治を付き添えて来る。

「茉衣!?」
「あ、奥さんだ。いつ見てもかわいいんだよなぁ。」
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