クローバー



遥紀と真治は二人きり。

「真治くんがまさか…。」
「びっくりしました?…でも沙衣との付き合いは順調というわけにはいかなかった。カラダの関係を持って早々に別れを告げられましたし。」
「え?」
「お義姉さんの事でいろいろ弊害があったのは事実。礼衣君ですよ。沙衣は実の弟にレイプされかけている。」
「え?」


沙衣が真治に初めて抱かれた日の夜。沙衣はぼ〜っとしている。

「わ、私…。」

カオは赤い。すると、礼衣が入ってくる。礼衣は、ぼ〜っとしている沙衣に、

「彼氏いるね。」
「え…?」
「姉さんの事知ってて男に走るなんて僕は許さないよ。」
「…。」
「カラダ目当てに捨てられて、子供と残される。騙されてるんだよ!」
「…そんな人に見えない。」
「姉さん、目を覚ますんだ!まさか寝たの?」

沙衣は隠す。

「…寝てない。」
「させないよ。目を覚ますんだ!寝るくらいなら。…僕だってもうすぐ15。それなりに力くらいある。」
「何を…いやっ!」

礼衣は沙衣を押し倒してキス。

「礼衣、自分のしてることわかって…んっふっ!?」

礼衣は舌を絡める。手は胸へ。

(真治…助けて!)

これでも男を求められる?沙衣の胸に礼衣のキスマーク。

「あ…。」

涙。

(真治…ごめんなさい。)

まだ手をかけようとする礼衣。沙衣は、

「もうやめて!」

平手打ち。
ひるむ礼衣。沙衣は逃げる。


公園、揺れるブランコ。泣いている。真治は来る。(公衆電話で呼び出した)

「どうしたんだ?」
「…。」

涙に気付いた真治。

「何かあったのか?」
「…別れて下さい!!」
「何で?」
「別れようよ。楽しかった。」
「だから?理由にならない!」

沙衣は目を逸らす。真治は、

「オレを見ろ!」
「やだ…。」
「見るんだ!!」
「いやっ!」

真治は沙衣の胸を開け、キスマークを見つける。

「誰がつけた!」
「う…。」

鳴咽。真治は抱き寄せる。

「落ち着いたらでいい。」


真治は車に沙衣を乗せて真治の部屋へ。

「…。」

キス。

「やっ!」

拒絶。

「…嫌でしょ?…弟に押し倒されて
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