クローバー
茉莉らが帰って来る。
聖華は玄関に行って、
「し〜っ。」
右手の中指を口に。
「どうしたの?」
茉莉が尋ねる。
「みんな眠ってるの。」
「え?」
「そ〜っと入るのよ。」
「はい。…わぁ〜ママがハルカ抱いてる。パパと見合って、パパとママ仲良しだもん。」
礼衣は茉莉を抱いて、
「おかえり。」
小声で喋る。
「お兄ちゃんただいま。じいじと買い物だって?」
「うん☆ステーショナリーセットを買ってもらったよ。あと、茉菜の服と髪飾りも。」
「へぇ。」
「だって茉菜の方がオシャレさしたいから私はいいよ。」
「茉莉は優しいね。」
「あと、ハルカの服と靴も買ったよ。」
父が入って来る。茉衣と遥紀の接近にいらっとしているようだ。茉莉は察知して、
「おじいちゃん、パパいじめちゃだめだよ。だってパパだもん。私ね、パパがパパで良かったと思ってる。いなかった時はただ淋しかった。初めて見た時嬉しかった。その時はパパだと知らなかって、うきうきしてて舞い上がってたけどその中で何か不思議な感じがしたの。会った事ないはずなのに会った事あるような、きっとその時抱いて欲しかった。ママのお腹にいた時、私は間接的だけどパパに抱いてもらってる。」
「茉莉…。」
「その日以来、不思議で、冬休みが明けて、帰りにパパが私を覚えてて話し掛けてきた。一番初めに聞かれた事は私のパパの事。それを聞いたのはママの事が知りたかったから。それから会う度に私、寂しいなんて思わなくなった。お兄ちゃんにパパだよ。と言われるなり寂しさが増えていったのに、パパといると寂しくなくて心地良かった。」
「ごめん…お兄ちゃんが茉莉にいつもパパと言った事で茉莉を苦しめてたのか…。」
礼衣が言うと茉莉は首を横に振る。
「パパは私がこけた時、弾みに散らばったこの指輪を見た時、触れてまじまじ見てた。私と指輪を見て涙を流した。そして抱いて、ごめんと謝って走って行った。それから毎日待っててもいなかった。寂しい。家に帰って、部屋に篭ってくまのぬいぐるみをできる限り抱いてた。ママが心配して来たけど、一人でいたいと拒んだ。会いたい…。ある日起きたらパパがいた。パパだよ。嬉しかった。」
「茉莉…。」
「私ね、パパとママに弟か妹が欲しいと我が儘言った。すると仲良く見つめ合
聖華は玄関に行って、
「し〜っ。」
右手の中指を口に。
「どうしたの?」
茉莉が尋ねる。
「みんな眠ってるの。」
「え?」
「そ〜っと入るのよ。」
「はい。…わぁ〜ママがハルカ抱いてる。パパと見合って、パパとママ仲良しだもん。」
礼衣は茉莉を抱いて、
「おかえり。」
小声で喋る。
「お兄ちゃんただいま。じいじと買い物だって?」
「うん☆ステーショナリーセットを買ってもらったよ。あと、茉菜の服と髪飾りも。」
「へぇ。」
「だって茉菜の方がオシャレさしたいから私はいいよ。」
「茉莉は優しいね。」
「あと、ハルカの服と靴も買ったよ。」
父が入って来る。茉衣と遥紀の接近にいらっとしているようだ。茉莉は察知して、
「おじいちゃん、パパいじめちゃだめだよ。だってパパだもん。私ね、パパがパパで良かったと思ってる。いなかった時はただ淋しかった。初めて見た時嬉しかった。その時はパパだと知らなかって、うきうきしてて舞い上がってたけどその中で何か不思議な感じがしたの。会った事ないはずなのに会った事あるような、きっとその時抱いて欲しかった。ママのお腹にいた時、私は間接的だけどパパに抱いてもらってる。」
「茉莉…。」
「その日以来、不思議で、冬休みが明けて、帰りにパパが私を覚えてて話し掛けてきた。一番初めに聞かれた事は私のパパの事。それを聞いたのはママの事が知りたかったから。それから会う度に私、寂しいなんて思わなくなった。お兄ちゃんにパパだよ。と言われるなり寂しさが増えていったのに、パパといると寂しくなくて心地良かった。」
「ごめん…お兄ちゃんが茉莉にいつもパパと言った事で茉莉を苦しめてたのか…。」
礼衣が言うと茉莉は首を横に振る。
「パパは私がこけた時、弾みに散らばったこの指輪を見た時、触れてまじまじ見てた。私と指輪を見て涙を流した。そして抱いて、ごめんと謝って走って行った。それから毎日待っててもいなかった。寂しい。家に帰って、部屋に篭ってくまのぬいぐるみをできる限り抱いてた。ママが心配して来たけど、一人でいたいと拒んだ。会いたい…。ある日起きたらパパがいた。パパだよ。嬉しかった。」
「茉莉…。」
「私ね、パパとママに弟か妹が欲しいと我が儘言った。すると仲良く見つめ合