クローバー
エビローグ〜幸せという未来へ〜
遥紀の実家。

「へ?真麻ちゃんオメデタ!?」
「そうなの、もう4か月だって。」
「…何故言わなかった兄貴!」
「…まあまあ、真麻の体調を考慮してさ。」
「弟にも言わないのか?」
「いやん、ハルこそ黙ってたくせに。」
「その後兄貴らは何をした?」
「…思い出したくない。」
「だから言わなかったというか言えなかった。親と兄貴を捨てる覚悟で暮らしてた。それより茉衣と茉莉が大切だった。…。」
「まあまあ、過ぎたことは忘れよう?ハルくん、みんな引きずっているのよ。後悔。」

茉衣は、

「おめでたい事だし。それに、それは茉莉も思い出したくない話。私は気にしてなんていないわ。私も悪かったし。」

紀里は覚えたてのつたない言葉で麻紀に、

「おねぇたん、あかたんかわいいね。」

麻紀は、

「ママのお腹にもいるんだよ。紀里、あんまりママに甘えたらだめだよ。お姉ちゃんになるのに甘え過だとお腹の兄弟に馬鹿にされるよ。」
「え…。」
「お姉ちゃんらしくならなきゃ。」

紀里は自分を抱いてくれている麻紀を見つめて、

「いも〜と?おと〜と?」
「わからないよ。どっちでもいいじゃん。兄弟には変わりないし。」

ゆりかごですやすや眠る茉菜を優しく見ている茉莉に、ぶ〜。っとむくれて抱き着くハルカ。

「また怒ってる。ハルカもお兄ちゃんだし優しく見ようよ。」

ハルカは茉菜をいじめる。

「こら!」

茉菜は泣く。

「ハ〜ル〜カ!お姉ちゃんも怒るわよ!」

ハルカはしゅんとなる。茉莉は、

「ハルカなんて大っ嫌い!」

ぷいっ。

ハルカは寂しそうに甘える。茉莉は、

「茉菜に優しくする?」

ハルカはこくりと頷く。

「だったら許す。そのかわり今度いじめたら知らないからね。」

ハルカは震える。紀里はそれを見て、

「ハルカくんいじめてるねぇ。」

麻紀は、

「紀里はこうなっちゃだめだよ。ママとパパに嫌われるよ。ってパパはどうでもいいか。」
「…おい。」

兄はショック。遥紀は笑って、

「麻紀はいいお姉さんだ。」
「…何であそこまで気が強くなったんだ。」

嘆く兄。茉莉は、

「パパは大事だよ。パパがいなかったら私は生まれなかった。」
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