クローバー
茉莉は眠る。
遥紀は寝室に行く。
「遥紀?」
茉衣は遥紀の涙に気付く。
「茉衣…茉莉の写真が見たい。」
遥紀は茉莉の成長の写真を見て、涙が溢れる。
生まれたてで、茉衣に抱かれた茉莉、
はいはいしている茉莉、
歩き始めた茉莉、
お遊戯している茉莉、
小学校へ入学した茉莉、
茉莉は笑っている
。全て遥紀の知らない写真。
茉衣は、
「遥紀…泣かないで。」
「茉衣…オレ、前も見たけれど、いつ見ても思う。茉莉の事を知らない。」
「遥紀、茉莉はね、遥紀と会うために生まれたの。茉莉がいたから、茉莉が私と遥紀を繋いでくれた。天使よ。」
「…茉衣、甘えていいかな。」
「いいよ。」
茉衣は、夜中に、しくしく泣いている遥紀に気付く。
茉莉の事を想っている。
茉衣は遥紀の腕を膨らんだお腹に当てて、
「ほ〜ら生きてる。パパ泣いてちゃだめ。赤ちゃん泣いちゃうゾ。…寂しいの?遥紀は知らなくても、遥紀と茉莉は繋がっている。わかるの。私は茉莉をずっと見ている。生まれた時、本当に嬉しかった。遥紀の遺伝子を持った娘。少し早産で、2200㌘で小さくて、初めて抱いた時、軽くて、でも、嬉しくて涙が出て、はじめまして、と言うとにこにこ笑って、遥紀に似てすごくきれいで、きっと大人になったら美人だろうななんて想像して。少しずつつたなく歩き始めると、応援しちゃって。こけてうるうる泣くと、痛かったでしょうと抱きしめて。保育園のお遊戯会。うさぎさんで踊っている、さーちゃん(妹)と一緒に見に行って、あまりにもの可愛さにさ−ちゃんをぐらぐら揺らし、わかってるってば…と呆れさせて。でもさーちゃんもたくさん写真撮っていたし。小学校の入学式。茉莉ばかり撮って。本当に可愛かった。」
茉衣は遥紀を優しく包み込んで、
「茉莉は気付いてないけれど遥紀を追っていた。ラジオ聞いて、というかずっと聞かせてたからかも知れないけれど、この声大好き。ママ、毎日録音して?帰ってから一緒に聞こ?と言うのよ。父親の声を楽しみにしていたの。再会した日、茉莉ったら、この服かわいいかなぁ。とルンルン。まるでデート行くみたい。私が、茉莉、デートに行くみたいね。と言うと、へへっ、声が大好きだもん☆と言い、お守り、というか遥紀にもらった指輪と砂時計の入った巾着袋を大事そう
遥紀は寝室に行く。
「遥紀?」
茉衣は遥紀の涙に気付く。
「茉衣…茉莉の写真が見たい。」
遥紀は茉莉の成長の写真を見て、涙が溢れる。
生まれたてで、茉衣に抱かれた茉莉、
はいはいしている茉莉、
歩き始めた茉莉、
お遊戯している茉莉、
小学校へ入学した茉莉、
茉莉は笑っている
。全て遥紀の知らない写真。
茉衣は、
「遥紀…泣かないで。」
「茉衣…オレ、前も見たけれど、いつ見ても思う。茉莉の事を知らない。」
「遥紀、茉莉はね、遥紀と会うために生まれたの。茉莉がいたから、茉莉が私と遥紀を繋いでくれた。天使よ。」
「…茉衣、甘えていいかな。」
「いいよ。」
茉衣は、夜中に、しくしく泣いている遥紀に気付く。
茉莉の事を想っている。
茉衣は遥紀の腕を膨らんだお腹に当てて、
「ほ〜ら生きてる。パパ泣いてちゃだめ。赤ちゃん泣いちゃうゾ。…寂しいの?遥紀は知らなくても、遥紀と茉莉は繋がっている。わかるの。私は茉莉をずっと見ている。生まれた時、本当に嬉しかった。遥紀の遺伝子を持った娘。少し早産で、2200㌘で小さくて、初めて抱いた時、軽くて、でも、嬉しくて涙が出て、はじめまして、と言うとにこにこ笑って、遥紀に似てすごくきれいで、きっと大人になったら美人だろうななんて想像して。少しずつつたなく歩き始めると、応援しちゃって。こけてうるうる泣くと、痛かったでしょうと抱きしめて。保育園のお遊戯会。うさぎさんで踊っている、さーちゃん(妹)と一緒に見に行って、あまりにもの可愛さにさ−ちゃんをぐらぐら揺らし、わかってるってば…と呆れさせて。でもさーちゃんもたくさん写真撮っていたし。小学校の入学式。茉莉ばかり撮って。本当に可愛かった。」
茉衣は遥紀を優しく包み込んで、
「茉莉は気付いてないけれど遥紀を追っていた。ラジオ聞いて、というかずっと聞かせてたからかも知れないけれど、この声大好き。ママ、毎日録音して?帰ってから一緒に聞こ?と言うのよ。父親の声を楽しみにしていたの。再会した日、茉莉ったら、この服かわいいかなぁ。とルンルン。まるでデート行くみたい。私が、茉莉、デートに行くみたいね。と言うと、へへっ、声が大好きだもん☆と言い、お守り、というか遥紀にもらった指輪と砂時計の入った巾着袋を大事そう