クローバー
ママのおちち飲んで眠っているの。だからね、まき、お姉たんいてくれて嬉しい☆じいじもばあばもパパもママも優ちいけどお姉たんがいい☆」
「…パパにとって娘に嫌われるのは辛い…。」
「いいじゃない。麻紀が幸せであれば。」

遥紀の兄に兄嫁が寄り添う。

「真麻…。」
「でも逃げられないようにね。」
「…。」
「落ち込まずに紀里を抱いてあげて、パパ。」

嫁は赤ちゃんを抱いてくる。
兄は赤ちゃんを抱く。

「よしよし。」

父親のカオになる。
茉衣は、

「かわいい☆」

言う。

「どちらかな?」

兄嫁が言うと、

「どちらでも好きな人の子供ならいいの。」

お腹をさする。

「久しぶりの出産ですから不安な部分もありますが、遥紀さんと茉莉がいるから楽しみです。」

茉莉は麻紀が心地よくなってくる。
遥紀は、
茉莉、

「おいで。」

呼ぶ。

「落ち着いた?」
「…。」
「わかる通り麻紀ちゃんは、お兄さんの子供だ。ほら、抱き着いてるだろ?お兄さんも父親だ。もちろんおじいさんやおばあさんもパパの親だ。茉莉が怯えるのもわからない訳ではない。でも、後悔している。おじいさんもおばあさんも本当は茉莉を抱きたいし、お兄さんもおじさんとして扱って欲しい。時間はかかってもいい。許して欲しい。パパにとってはなくてはならない人だ。性格は知っている。保証する。パパが間違いなら責任取る。な?…。」

茉莉は、遥紀の父親に恐る恐る寄る。

「…おじい…さん。」

父は涙ぐんで、茉莉を抱きしめ、

「ああ…遥紀の娘。私の孫。ごめん、…知らなかった。生を受けて、この世に息子の子供がいるなんて。…ひどいおじいちゃんだ。…孫を殺そうとした。死んでもいいと、間違いだと気付いたのは病院だった…。愛しさが湧いてきた。そして、後悔も。私が遥紀と茉衣ちゃんを離したりしなければ寂しい思いをさせずに済んだ。父の愛を知らずに、10年生きてきて、祖父らに…。」
「おじいちゃん…。」
「私は茉莉を愛してる。顔を見せてくれ…ああ愛しい。」

遥紀の母も茉莉を抱く。愛しそうだ。
赤ちゃんを抱いた兄も寄ってくる。

「触ってみる?練習だ。」

茉莉は赤ちゃんに触れる。
ぴくぴく動く。

「かわいい…。」
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