クローバー

指輪は娘と３人で同じになるように買った。」

「何故真実を話したか。…同じ事が起こって欲しくない。私達で苦しむのは終わりにしたい…。今は、妻と娘と息子がいて幸せ。妻の家族には睨まれた。…いくら謝っても消えない溝。できる限りの事をしたい。私の親のしたことはいけないこと。娘の命を奪おうとした…。」

「…駆け落ちしたこと。…そうするしかできなかった。…ダメな息子でごめんなさい。…兄にも怒りをぶつけて殴った事。本当、ダメな弟だ。今はもう恨んでいないし、会って欲しい。最初は恐怖から拒絶していた娘も少しずつ解けてきている。いきなり知らされた娘を愛しいと言ってくれる。会いに来て欲しいと言ってくれる。たまに行くから。その時は、子供達を愛してあげてください。」

「それが全ての真実です。」


遥紀は家へ帰る。
茉衣は遥紀に抱き着く。

「 茉衣…。ありがとう。」
「もう、同じ事が繰り返されないように。」
「…私の家族へのキモチ…遥紀のキモチ、お互いの家族を大切にしたいの。」
「オレの親のことを言ったのは、苦しむのはもういいから。そういや茉莉は？」
「まだだよ。…茉莉に聞かせていいのかなぁ。両親の過去。」
「言ってない事もある。近づいた理由。…そして、さらわれた記憶。」
「…。」
「思い出して、また拒絶してはいけない。」
「…そうね。」
「生々しく残っているはずだ。即効性の睡眠薬で眠らされて、居間でぐったりして、オレの助けを呼んで、血を吐いて倒れて、寒いと言って、オレに抱かれて気を失い、半年間を眠ったまま、茉衣の妊娠も知らずにいた。」
「…ハルちゃん聞いてた。遥紀の声が子守唄のようにいつも眠るのに、今日は起きていたわ。今は眠ってる。」
「…そうか。」


「ただいま。」

茉莉が帰って来る。

「おかえり。」

遥紀と茉衣は迎える。

「パパ☆」

遥紀は、

「今日はどうだった？」
「へへ、楽しかった。ハルカは？」
「眠ってるよ。起こさないように。」
「はぁい。」


食事中、

”ピンポン”

ベルが鳴り、茉衣は出る。取材だ。

「奥さんですね、話を聞かせてください。」
「…私から話すことはありません。主人に全て任せております。」
「一度捨てられた人と再会した時のお気