クローバー
子供産んでいるのよ。信じて?」
「…はい。」

茉衣は礼衣を呼ぶ。

「ちょっと来なさい。」
「え?」
「いいから。」
「…。」

礼衣は聖華の所へ。

「どうした?」

聖華は礼衣に抱き着く。
囁く。

「…赤ちゃんが出来たかもしれないの。」
「え?」

いきなりでびっくり。しかし、甘く囁き返す。

「嬉しいよ。明日、病院に行こうか。」
「…喜んでくれるの?」
「当たり前だ。聖華の子供、だれが喜ばない?望んでいたの、知ってるだろう?」
「はい。」

沙衣は、

「心配なら、検査薬で調べてみたら?」

「はい…。」
「薬局へ行くなら私も行くわ。」

茉衣は言う。

「ありがとう。」

礼衣は言う、
茉衣は子供を遥紀に預けて、礼衣に付いていく。

「本当かなぁ?」

悩む聖華に、

「聖華ちゃんはどう思うの?」
「嬉しいです。やっと会えるのなら。礼衣に喜んでくれるか心配で。」
「弟が喜ばなかったら殴るわ。それくらい分かっているはず。」
「…そうじゃなくても喜んでるよ。望んでいたもん。女の子には大変な事だよ。」
「礼衣、気遣わないとね。」
「…それを、あの凛々しい顔した悪魔に言ってよ。」

茉衣はムカッ!

「私の大事な遥紀に何を言うの!」
「よく一度捨てた男をかばえるね。やり逃げの最低男。姉さんのカラダ奪って妊娠させておいて別れて、でかでかと進学しやがって。あいつは姉さんの人生を狂わせた悪魔だ!」
「…好きな人が幸せなら私がどんなにいばらの道に進んでも、それでもよかった。」
「不謹慎だ。姉さんならずも茉莉ちゃんも苦しませてる。父親のいない娘。きっと学校でも言わないだけで言われて来てるだろう。」
「…茉莉には悪かったと思うわ、でも、遥紀の悪口だけはやめて、私を罵るのなら罵ればいい。一生に一度会う、かけがえのない運命の人は遥紀しかいないから。」
「…。」


家に帰って調べる。
やはり陽性であり、聖華は涙。

「同じ学年ね。」

にっこり微笑む沙衣。

「はい、お姉さん。」
「今日は三重のお祝いだね。」

茉衣は言う。

「お姉さんの結婚式になったらお腹大きくなるかなぁ?」
「どうかな?成長次第だよ。楽しみだね。礼衣もパパだ
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