クローバー
すると、カレがいた。接点を見つけた。そして、アルバムにある写真。一緒に写っていました。最後のページにあるメッセージ。”幸せにできなくてごめん。今でも気持ちは変わらなく愛しているけれど、きっと大人になって、再会して二人で笑い合えたら素敵だね。将来茉衣に他の人の子供ができて、オレはどこかの誰かと結ばれる。考えると辛いけど、愛し合ったキオクを忘れないで。”とつづられていました。確信しました。二人が関係を結んでいたこと。子供の父親。妻にも言えず、過ぎていく時間。そして再会したのだろう。隠して、きっと家ではうなだれてキモチを押し殺していたでしょう。運命は、離した二人を再び引き寄せる。お互い好きだった。そして、全てを知って、危険だと知りつつ駆け落ちした。そして結ばれた。恨まれ、娘は睡眠薬飲まされて誘拐されて、嫌な予感がして駆け付けた父親の前で血を吐いて倒れた。」

「うなだれたお義姉さん。それは体力を奪って、お腹に子供を宿していたお義姉さんは倒れ、流産しかけた。少し安定しかけた頃、実家に来ました。もちろん怒っていたお義父さんと義弟は激怒。あんな修羅場初めて見ました…。」


遥紀はドキドキしている。
茉衣は甘いキス。大丈夫。
「さっき茉莉に誓ったでしょ?パパ頑張ってくるから茉莉も頑張って?なんて。」
「ああ。…でもオレは茉衣と寝て捨てて、茉莉を生ませて消えた最低な男だ。受け入れられるはずがない。」

茉衣は遥紀の手でお腹をさすり、

「この子が見てるの。」
「オレはこの子と茉莉の父親だ…。」


ピンポン、

インターホン越しに母の声。

「ママ、茉衣よ。」

母は、

「わかった、すぐに開けるわ。」

ドアを開ける。
母は、遥紀に気付き、

「どうぞ上がって。みんないるからね。」
「…はい。」


仏間。
遥紀は茉衣の父親を見るなり土下座。

「すいませんでした!」
「誰だね君は?」

父親は言う。
遥紀は土下座したまま顔を上げられない。

「パパ、彼は…。」

茉衣が言うと、父はふと遥紀の顔が見えたのか、血相を変え、遥紀の頭を足で踏み付け、

「帰れ!二度と現れるな!!」

怒号を聞き付けた沙衣夫婦と弟夫婦が来る。

「パパやめて!」
「黙れ、消えろ!!」
「パパ…お腹
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