クローバー

遥紀は言うと、

「何で？パパだよ。」

見つめる。

「…過去は消せないよ。昨日お祖父さんも言ってただろ、とんでもない事をしたって…。」

「わからない！パパとママは嫌いで別れたんじゃないでしょ？好きでも別れなきゃいけなかったでしょ？」
「…そうだよ。ママに危害が与えられたくなかった…本気でかかってくる、大好きなママが傷だらけになるのが見たくなかった。目の前で、止めても殴られて傷ついたママを見てた。守れなかったふがいなさ。高校生には経済力がなく、ママを連れて逃げる事はお互いの家族の憎悪を生む。見つかればママが傷つけられる。逃げたらママの家族に傷がつく。ママは真田家にとって大切な娘さんなんだ。…だから断ち切った。未練タラタラで、１１年間は抜け殻みたいで、何していたか、とにかく真っ白で、一日一日が単調で、仕事で消そうとしても家に帰れば写真を見ては引きこもってた。休みは、それなりに若くいようと服を見たりしてたけど浪費はできないし、無駄だけは嫌だから。浪費して紛らわせなかった、辛かった。」
「…なら、どうして謝るの？お祖父さんも礼衣お兄さんも恨むのなんて間違ってる。」

茉莉は涙。
茉衣は、

「茉莉、落ち着いて。…仕方ないの。…二階に行こうね。」

茉衣は泣いている茉莉を部屋に。

「ここにいなさい。ここはママがいた部屋。宝探し。この鍵を開けたらいいことあるかもね。どこにあるかは探しなさい。」

そう優しく言い、茉衣は戻る。

「ママ？…宝探し？何だろう、鍵？茉莉は茉衣にもらった鍵を見る。…この部屋にあるの？」


茉衣は戻る。
父と弟は黙っている。

「ごめんねパパ、礼衣。茉莉は…。」

父は、

「まさか孫に痛いところを突かれるとは思ってもいなかった。遥紀君が私達に対してどういう決意を持って別れたのまではわかっていなかった。孫によって聞かされた。茉莉は冷静に受け止めている。それは父親に対する慕うキモチ。あの時に駆け落ちを考えていたのだな。」
「…はい。」
「私達の事を思ってとどまって、自ら手を引いた。」
「…はい。身を引く事は容易なことではありませんでした。二人で話して決めたこと。しかし、好きなのを断ち切るのは辛かったです。高校卒業までの猶予。別れたくありませんでした。少しでもいい、好きな人を感