Cassis Orange〜世界で一番愛したキミヘ〜
「一応聞くけど…」

「?」

「かき集めた情報曰く、お前は今フリーって認識なんだけど…

合ってる?」


あぁ…不安なんだ
微かな震え、私は聞き逃さない

ていうか…情報かき集めたって…
笑っちゃうじゃない

黙ってる私を見て、か細い声が響く

「…いるの?」


風の音と、鳥の鳴き声
続く沈黙

こういう場面で、すぐ答えないのはずるいかな?
だってすぐ安心させちゃうと、つまらないじゃん?

小悪魔な私、久しぶりの発動


「はぁ…あのね、なおき…」



高まる緊張
小さな表情の変わりだって、私は見逃さない
そろそろ耐えられなくなるその時に、答えるの

それも、あなたの予想を上回りたいから



ぎゅっ

「?!」

わかりにくい言葉で伝える

「…3年前の彼氏が忘れられない…」

考える時間

正解か不正解か、困惑する彼の顔
複雑な表情、迷いを見せる彼に
ニコッて満面の笑みを浮かべてみせる

その笑顔に込められた想い、届いたかな?
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