バッドジンクス×シュガーラバー
「……最初のキッカケは、その目だ」
「え」
「間近で見た目が綺麗で、惹きつけられた。ある意味、ほとんど一目惚れみたいなものかもな」
頑なだった瞳がこちらを向いてまたたいた。俺は射抜くような力強さで見返しながら、言葉を続ける。
「うつむいた暗い顔じゃなく、笑った顔を目の前で見てみたくて。それが叶ったら、今度はその笑顔を俺だけに見せて欲しいと思うようになっていた。知れば知るほど、いつも一生懸命で自分よりも他人ばかり心配しているような内面にも好感を持った」
話す声音に、だんだんと熱がこもってくる。
掴んだ手をゆっくりと持ち上げ、被せた自分の左手の親指で、すり、と滑らかな手の甲をなぞった。
彼女がまた息を呑むのを感じつつも、手を放す気にはならない。
「……俺は、どうすればいい」
「っえ」
「どうすれば──おまえは、俺のものになるんだ」
祈るように。懇願するように。
握り込んだ小糸の右手の指に口づけながらささやいたそれは、自分でも思っていた以上に切実な響きを持っていた。
ゆっくり触れて近づいて、逃げる隙は与えていたつもりだ。だけど、彼女は強く拒まなかった。
たとえその反応の理由が、怯えて竦んでしまっただけだとしても……もう、逃がしてやる気はない。
「え」
「間近で見た目が綺麗で、惹きつけられた。ある意味、ほとんど一目惚れみたいなものかもな」
頑なだった瞳がこちらを向いてまたたいた。俺は射抜くような力強さで見返しながら、言葉を続ける。
「うつむいた暗い顔じゃなく、笑った顔を目の前で見てみたくて。それが叶ったら、今度はその笑顔を俺だけに見せて欲しいと思うようになっていた。知れば知るほど、いつも一生懸命で自分よりも他人ばかり心配しているような内面にも好感を持った」
話す声音に、だんだんと熱がこもってくる。
掴んだ手をゆっくりと持ち上げ、被せた自分の左手の親指で、すり、と滑らかな手の甲をなぞった。
彼女がまた息を呑むのを感じつつも、手を放す気にはならない。
「……俺は、どうすればいい」
「っえ」
「どうすれば──おまえは、俺のものになるんだ」
祈るように。懇願するように。
握り込んだ小糸の右手の指に口づけながらささやいたそれは、自分でも思っていた以上に切実な響きを持っていた。
ゆっくり触れて近づいて、逃げる隙は与えていたつもりだ。だけど、彼女は強く拒まなかった。
たとえその反応の理由が、怯えて竦んでしまっただけだとしても……もう、逃がしてやる気はない。