バッドジンクス×シュガーラバー
「侑子が久浦部長のことを好きだって聞いて、一度は諦めかけたけど……結局私、自分の気持ちに嘘がつけなかった。久浦部長に、伝えたよ」
「え?」
侑子が目を丸くする。
私は、イタズラっぽく笑いながら続けた。
「ごめんね。私、侑子が思ってくれるほど優しくもなくて、案外図太い性格だったみたい。だからこれで、おあいこにしよ?」
束の間、彼女は驚いた表情でまじまじ私を見つめていた。
けれどもふっと、その綺麗な顔をほころばせる。
「……そっか。私、憂依のそういう意外とガッツあるところ、好きだわ」
「ありがと。私も、侑子のことは全部好きだよ」
「うれしいこと言ってくれちゃって」
私の恥ずかしいセリフに侑子は本当にうれしそうに笑い、1歩こちらから離れた。
「引き留めてごめんね。久浦部長のところに、行くんでしょう?」
「……うん」
若干照れながらうなずいた私を見て、侑子が笑顔のまま続ける。
「久浦部長によろしくね。あと、『吉永侑子はあなたのことが嫌いです』って伝えておいて」
「それは……困ったな……」
まっすぐな目でわりと本気っぽく言うから、狼狽えてしまう。
侑子は「冗談冗談」とあながちそうでもなさそうな声音で付け足し、また笑みを浮かべる。
「それじゃあ、またね。気をつけて行ってらっしゃい」
「うん、ありがとう。侑子も、帰りは気をつけてね」
「ありがと」
大切な友人と笑顔で別れ、また歩き出す。
自然とペースが早くなる足取りは、驚くほど軽かった。
「え?」
侑子が目を丸くする。
私は、イタズラっぽく笑いながら続けた。
「ごめんね。私、侑子が思ってくれるほど優しくもなくて、案外図太い性格だったみたい。だからこれで、おあいこにしよ?」
束の間、彼女は驚いた表情でまじまじ私を見つめていた。
けれどもふっと、その綺麗な顔をほころばせる。
「……そっか。私、憂依のそういう意外とガッツあるところ、好きだわ」
「ありがと。私も、侑子のことは全部好きだよ」
「うれしいこと言ってくれちゃって」
私の恥ずかしいセリフに侑子は本当にうれしそうに笑い、1歩こちらから離れた。
「引き留めてごめんね。久浦部長のところに、行くんでしょう?」
「……うん」
若干照れながらうなずいた私を見て、侑子が笑顔のまま続ける。
「久浦部長によろしくね。あと、『吉永侑子はあなたのことが嫌いです』って伝えておいて」
「それは……困ったな……」
まっすぐな目でわりと本気っぽく言うから、狼狽えてしまう。
侑子は「冗談冗談」とあながちそうでもなさそうな声音で付け足し、また笑みを浮かべる。
「それじゃあ、またね。気をつけて行ってらっしゃい」
「うん、ありがとう。侑子も、帰りは気をつけてね」
「ありがと」
大切な友人と笑顔で別れ、また歩き出す。
自然とペースが早くなる足取りは、驚くほど軽かった。