バッドジンクス×シュガーラバー
なんというめちゃくちゃな推論だ。守護霊……守護霊って、普通嫌なことから遠ざけてくれるものなんだよね?

私、その守護霊のせいで、すごーく悩むことになったんですが……。

……──でも。

満足げな佑さんの隣で、私は思わずプッと噴き出した。



「そうですね。もしそうなら私は、結果的に佑さんと引き合わせてくれた守護霊に感謝しないと」



めちゃくちゃでも非科学的でも、あなたにたどり着けたならそれでいい。

そんな思いで見上げた私に、佑さんがイタズラっぽい笑みを向けてくる。



「ああ、そうだな。俺も──憂依とこうしていられて、幸せだ」



近づいてきた端整な顔が、あっという間に私の唇を奪う。

数秒間の口づけのあと、ペロリと自身の唇を舐めた佑さんが意地悪にささやいた。



「紅茶の味。やっぱり、憂依はどこもかしこも甘いな」

「……紅茶味は、このお菓子のせいですから」



壮絶な色気にあてられてクラクラしながらも、照れ隠しになんとか言葉を返す。

すると佑さんは、未だ私の右手にあったマフィンを取り上げ、あっという間に自分の口の中へと納めてしまった。
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