バッドジンクス×シュガーラバー
あくまで平静を装って訊ねてみると、憂依がふふっと笑みをこぼした。

アルコールで艶っぽく上気した頬も、いつもより甘く空気を震わす声にも、くらくらする。

引き寄せられるように両手を伸ばした。左手は彼女のやわらかな二の腕に添え、右手でそっとジッパーを下げていく。

白い肌が、徐々にあらわになる。そうして手を下ろしきった俺は、自然と生唾を飲み込んでいた。

肌触りのいいルームウェアの下から、姿を見せたのは──彼女の華奢な身体のわりにボリュームのある胸もとを覆う、繊細なレースの花があしらわれた淡い桃色の下着。

キャミソールタイプのそれはバスト部分以外が透ける素材になっており、くびれたウエストやなだらかな腹、小さなへそのへこみも布越しに確認できる。

長袖のうえ裾も長い、ガードが固めのルームウェアの内側に、こんなにもかわいらしくてなまめかしいご褒美が隠されていたとは。

視線を離せないでいると、眼前の彼女が照れた素振りで目を伏せる。



「あの……いっつも私、佑さんからしてもらうばっかりで……だから、たまには私が、積極的に……その、お、お誘いしたいなって……」



憂依は「こういう下着、男の人は好きって教えてもらったので……」などとボソボソ続けているが、正直俺はもうそれどころじゃない。

いや、彼女に入れ知恵した誰か(おそらく浅村あたりだろうが)を内心全力で褒めたたえているし、今日これまでの彼女の言動の不自然さの理由がわかり、安堵もしている。

とはいえ、俺も健康な成人男性だ。極上の据え膳を前にして、脳内はめくるめく官能の時間モードへと完全にスイッチが切り替わっている。
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