バッドジンクス×シュガーラバー
「ああ、そうだったね。ちなみに紹介が今になってしまったのは、今朝緊急の会議があったおかげで、久浦部長だけ朝礼にいなかったんだよねぇ。彼、仕事熱心だから」
「……おちょくらないでくださいよ、本部長」
からからと笑う植田本部長に、久浦部長が渋い顔をする。
ヒィッ……眉間にシワが刻まれると、ますます強面だ。
そしてふと私はそこで、部長の名前に聞き覚えがあることを思い出した。
……ああ、そうだ。
デイリーフーズ部の、久浦 佑部長。
【COSMY×TIME】の、不動の1番人気スイーツ──【ご褒美エクレア】を開発した人、だ。
「ま、久浦部長はほんと、ウチの部署の要だから。小糸さんもどんどん頼るといいよ」
「は、はい……」
目じりに刻まれた笑いジワを深くし、ハッハッハと豪快に笑いながら植田本部長が去る。
じろり、私に一瞥を寄越して、久浦部長も本部長の背中を追いかけて行った。
久浦部長……あ、あの人、ガラ悪い……。
私、ほんとにここでやっていけるんだろうか。
ていうか、あんなこわい人がスイーツ部門にいて、しかも実績を残してるなんて……人は見かけによらないというのは、まさにこのこと?
思いがけない直属の上司の判明に、さらに重たい気分になる。
けれど、仕方ない。なんとか、ここでやっていくしかない。
心の中で自分に言い聞かせながら、私も再び廊下を歩き出した。
「……おちょくらないでくださいよ、本部長」
からからと笑う植田本部長に、久浦部長が渋い顔をする。
ヒィッ……眉間にシワが刻まれると、ますます強面だ。
そしてふと私はそこで、部長の名前に聞き覚えがあることを思い出した。
……ああ、そうだ。
デイリーフーズ部の、久浦 佑部長。
【COSMY×TIME】の、不動の1番人気スイーツ──【ご褒美エクレア】を開発した人、だ。
「ま、久浦部長はほんと、ウチの部署の要だから。小糸さんもどんどん頼るといいよ」
「は、はい……」
目じりに刻まれた笑いジワを深くし、ハッハッハと豪快に笑いながら植田本部長が去る。
じろり、私に一瞥を寄越して、久浦部長も本部長の背中を追いかけて行った。
久浦部長……あ、あの人、ガラ悪い……。
私、ほんとにここでやっていけるんだろうか。
ていうか、あんなこわい人がスイーツ部門にいて、しかも実績を残してるなんて……人は見かけによらないというのは、まさにこのこと?
思いがけない直属の上司の判明に、さらに重たい気分になる。
けれど、仕方ない。なんとか、ここでやっていくしかない。
心の中で自分に言い聞かせながら、私も再び廊下を歩き出した。