バッドジンクス×シュガーラバー
あの翌日から大型連休に入り、謝るのが遅くなってしまったのがなおさら申し訳なくて……休み中もふとした瞬間に部長のことを思い出しては、気が気じゃなかった。
だから休み明けの今日、朝一番に部長へ謝罪をしようといつも以上に早く家を出たのだ。
オフィスに荷物を置いた私は「久浦部長なら休憩スペースの方に歩いていくのを見たよ」との目撃情報をもとに、こうして追いかけてきたんだけど……。
さすがに、あれだけの休みを挟んだからもう何とも思わないのかな?
そう考えると、ラッキーだったような、逆に申し訳ないような……微妙な心境で居心地悪くなりながら、取り出し口から缶コーヒーを拾い上げて身体を起こす久浦部長の姿を無意識に見つめた。
「……お、」
そのとき、何かに気づいた部長が小さく声を漏らしたかと思うと、再びこちらへ顔を向けてくる。
何事かと身構えた私にかけられたのは、またもや予想外のセリフだった。
「小糸。この中なら、おまえのオススメはどれだ?」
「えっ?」
一瞬、何に対してかとクエスチョンマークが浮かんだけれど、自販機に並ぶ飲み物のことだと思い至った。
戸惑いつつ、反射的に答える。
「えっと……ミルクティーは、よく飲みます。その、1番下の段にあるペットボトルの」
「そうか」
だから休み明けの今日、朝一番に部長へ謝罪をしようといつも以上に早く家を出たのだ。
オフィスに荷物を置いた私は「久浦部長なら休憩スペースの方に歩いていくのを見たよ」との目撃情報をもとに、こうして追いかけてきたんだけど……。
さすがに、あれだけの休みを挟んだからもう何とも思わないのかな?
そう考えると、ラッキーだったような、逆に申し訳ないような……微妙な心境で居心地悪くなりながら、取り出し口から缶コーヒーを拾い上げて身体を起こす久浦部長の姿を無意識に見つめた。
「……お、」
そのとき、何かに気づいた部長が小さく声を漏らしたかと思うと、再びこちらへ顔を向けてくる。
何事かと身構えた私にかけられたのは、またもや予想外のセリフだった。
「小糸。この中なら、おまえのオススメはどれだ?」
「えっ?」
一瞬、何に対してかとクエスチョンマークが浮かんだけれど、自販機に並ぶ飲み物のことだと思い至った。
戸惑いつつ、反射的に答える。
「えっと……ミルクティーは、よく飲みます。その、1番下の段にあるペットボトルの」
「そうか」