【完】今日もキミにドキドキが止まらない
なんてど厳しいんだ……。
いっちゃんも工藤くんと同じくらい容赦がないんじゃない……?
おずおずとポッケからスマホを取り出した。
工藤くんへメッセージを作成してみるけど、指が……私の指が拒絶反応を起こしている……。
「い、いっちゃん、指が動かない……」
「じゃあもうそのままでいいからスマホ持ったまんま授業受けなよ」
「……」
半ば強制的にいっちゃんの声に背中を押された私は、
【期末が終わるまで工藤くん禁止令を発動したので、心置き無く集中してください!】
意を決してメッセージを送信した。
そして私は心の中で言い聞かせる。
これでいいんだ……!!
「あーあ。やばそうだね日菜、大丈夫……?」
既に震えを通り越して痙攣が起きそうな私を、いよいよいっちゃんが心配する。
でも大丈夫……。
工藤くんに接近出来なかろうと会えなかろうと、私の脳内は工藤くんでいっぱいだ。
少しの間だもん、大丈夫に決まってる!
「………全然。想像で余裕だよいっちゃん」
「……結構気持ち悪い発言してるって気づいてる?」
いっちゃんになんと言われようと、頭の中に思い浮かべた工藤くんを励みにするのだ。