【完】今日もキミにドキドキが止まらない
「あれなに?授業前に送ってきたやつ」
眉根を寄せて非常に機嫌の悪そうな工藤くんが私へと距離を詰める。
「いやあの……あれは、私なりの決意っていうか……」
「あんなの卑怯だろ」
「え、卑怯……?」
予想外の発言に私の口はポカンと開いた。
「気になって授業どころじゃなかったんだけど?」
「……っ」
ツンとした顔で、席に着いたままの私を見下ろしている。
待って、工藤くん……。
工藤くんの方こそ発言がもう卑怯だ……。
私の苦渋の決断さえ工藤くんはこうやって、嬉しいことを言ってきて揺るがしてくる。