【完】今日もキミにドキドキが止まらない



特進科クラスはこの普通科とは離れた教室棟にある。

何度か工藤くん見たさに行ったことがあるけど、
「え?なになに普通科の方がどうしたの?」と、痛々しい視線を浴びて早々と退散した。


普通科の人間にとっては、足を踏み入れるだけでも勇気がいる場所だ。


だから朝は工藤くんに会える貴重な時間。


寒かろうと雨だろうと私は毎朝工藤くんを待っているのだ。



「……はぁ。工藤くん大好きだねぇ」


「大好きすぎる自分が、たまに怖いくらい大好きだよ!」



だって工藤くんは、私の世界を変えてくれた人だから。



「工藤くんがもし風邪で欠席とかにでもなった日には、もう……日菜やばそうじゃない?」



え、工藤くんが……欠席!?


彼女になってまだたったの一ヶ月だけど、もしそんな日が来たら、私はもう……!!!



「会いたくて会いたくて震える通り越して痙攣するよ、いっちゃん……」


「それ普通に怖いから……」


< 14 / 313 >

この作品をシェア

pagetop