【完】今日もキミにドキドキが止まらない
どうしたら、私にドキドキしてくれるんだろう……。
堪らずに本音を言えば、バカだとかいつもの無愛想な言葉が返ってくると思っていたのに。
……あれ?
「工藤……くん?」
一向になにも言い返してこない工藤くんを不思議に思ってそっと見上げる。
「お前なぁ……」
ほんのりと頬を赤く染めている工藤くんが、不服そうにこちらを見ていた。
え……?
な、なに……その顔は……。
私の見間違えかと思うくらいで、もう一度まじまじと見てしまう。
だって工藤くんのこんな余裕のない表情、私は初めて見たよ……。
「こっち見んな……」
「……えっ!?も、もしかして、ドキドキしてくれたの工藤くん……!?」
工藤くんがドキドキ……している?
驚きと嬉しさで、それを確認したくて私は無意識に身体を乗り出していた。