【完】今日もキミにドキドキが止まらない
「謝んなくていいから早くどけ……」
今度こそ、工藤くんに呆れられちゃったかもしれない……。
こんな失態を犯すなんて大反省だ。
いっちゃんに言ったら切腹しなって言われるに違いない……。
慌てて身体を離そうとしたその時……
「補給させてって言ったのは俺だけど、こんなん我慢しろって方が無理だろ」
「え?」
「抱きしめて、気が済むまで補給したくなる」
「……っ、」
無理だと言ったその言葉通り、工藤くんの表情はいつもよりずっと余裕がない。
誤魔化そうとしているのか不機嫌に歪む口許を手の甲で隠した。
さっきよりもずっと頬が赤く染まって見えるのは、窓から射し込む夕陽のせいなのかな……。
それとも……。