【完】今日もキミにドキドキが止まらない
うぅぅ……っと、唸りながら零士くんがぶるぶると身震いを起こす。
「や、やめてよ零士くん……」
夕方でも台風のせいでもう夜かと思うくらい真っ暗なのに。
ましてや雨………。
そんな天気の日を、特に幽霊は好むとか言うし……。
「いるわけないでしょ?幽霊なんてただの噂だってば。ほらほら、ウチらは帰るよ!」
「い、いちか。どうやら俺はここまでだ。気にするな……先を急げ……」
「あ、そう?じゃあお先に」
バイバーイ、と手を振って出口へ向かういっちゃんに零士くんが慌てて立ち上がった。
そんな二人を見送りながら、しっかりいっちゃんを守ってあげてね零士くん、と心の中で呟いた。