【完】今日もキミにドキドキが止まらない
二人が帰った後、残っていたクラスメイト達も次々に教室を出ていった。
ついに私一人か……。
台風直撃を避けて他のクラスの人達もみんな帰ったようで、廊下からも誰の声も聞こえてこないし……。
ガタガタッ!!
「ヒィッ……!」
シーン、と静まり返る教室に響く雨風の音にビクッと肩を震わせた。
こういう時に限って昨日お姉ちゃんが見ていたホラー映画のワンシーンなんかが頭に浮かんできちゃう……。
余計怖くなってどうすんのよ、私!
工藤くんの顔を思い浮かべてみたけれど、やっぱり怖くなった私は帰る支度を始めた。