【完】今日もキミにドキドキが止まらない
せめて、図書室のある二階までいこう……。
ゴールを目指す私は最早、脱出ゲームの主人公にでもなった気持ちだ。
廊下に出ると階段までの距離がほぼ真っ暗に近い。
さっきと同様、気味が悪い程に誰の声も聞こえない……。
カバンを抱きしめながらゆっくりと慎重に進んでいく。
「ふぅ……」
え?
もう少しで階段、というところで背後からなにか聞こえたような……。
例の噂なんてホントなわけない、よね?